今回は、エコキュートの故障の中でも特に困ってしまう人が多い『エコキュートの水漏れ』に関するトラブルをご紹介します。

エコキュートは、エアコンにも採用されているヒートポンプを使っているため、大気中の熱を効率よく利用してお湯を作ることができるようになり、同じ電気がエネルギー源の電気温水器と比較してもかなり少ない電気しか使いません。さらに、一日で使用するお湯をまとめて沸かして貯湯タンクに貯めておくという『貯湯式』の給湯システムになるため、電力会社が用意しているオール電化用の料金プランなどを活用でき、大幅に給湯にかかるコストを削減できるのです。

エコキュートは、給湯コストの安さや、お湯を沸かす際のCO2排出量が少なく環境負荷を低減できるなどと言った点が好まれ、近年人気の給湯器としての地位を築いています。しかし、エコキュートに限らず、どのような給湯システムも一度導入すれば一生その機器が利用できるなんてことはなく、経年で徐々に劣化してしまうものです。特に給湯器関連の故障で困るのは、水漏れ関係のトラブルだと言われているのですが、一口に『水漏れトラブル』と言っても、その症状や原因はさまざまあるのです。

そこで今回は、エコキュートの水漏れトラブルに関して、代表的な症状やその原因をご紹介します。

エコキュートの『水漏れ』にはどんな症状がある?

それでは、エコキュート利用中に「水漏れしているのでは?」と考えた方が良い代表的なトラブルについてご紹介していきましょう。

「お湯が無くなりました」というエラーコードがすぐに出る

エコキュートは、貯湯タンクに貯めているお湯を必要な時に給湯するというシステムです。基本的に電気代が安い深夜帯にお湯を作り、日中にそれを利用するというのが一般的です。

そして、タンクのお湯が無くなり、給湯できなくなった場合、リモコンに「お湯が無くなりました」などの案内やそれを示すエラーコードが表示されるのです。例えば、来客があり普段より多くのお湯を使った場合、このようなお湯切れが起こってもおかしくありませんが、普段と同じぐらいの湯量しか使っていない…普段よりかなり早くこの表示が出た…などと言った場合には水漏れの可能性があります。

お湯が出ない…温度が安定しない…

蛇口をひねった時、最初に水が出るのは正常なのですが、一度お湯が出るようになってから再び水に戻るなどといった事が頻繁に起こる場合、水漏れの可能性があります。これは、お湯の配管に何らかの問題があり、水漏れなどが発生すると温度調整のための水の割合が増えて、設定温度よりも下がってしまう…お湯の温度が安定しなくなってしまう…ためなのです。

水道代や電気代が急に高くなる

いつもと同じようにエコキュートを利用しているのに、水道代や電気代が急に高くなった…という場合には、水漏れの可能性があります。このような場合、水道メーターを確認しましょう。どこも水を出していないのに、水道メーターが回っている…などと言った場合、どこかの配管が破損して水漏れしている可能性が高いです。ちなみに、この場合は、エコキュートが原因の水漏れとは限りません。

エコキュートの『水漏れ』原因とは?

エコキュート利用中に「水漏れかも?」と考えた方が良い症状は分かりましたね、それでは、エコキュートの水漏れトラブルは何が原因となるのでしょうか?

ここでは、エコキュートの水漏れトラブルを引き起こす代表的な原因をご紹介します。

配管の 劣化 ・ 損傷

水漏れトラブルが発生した際、誰もが真っ先に思い浮かべるのが「配管の損傷・劣化」ですね。エコキュートに限りませんが、住宅で使用する水関係の配管は、凍結などが原因となり破裂または損傷してしまう可能性があります。当然、配管に何らかの問題が出た場合、そこから水が漏れ出てしまいます。

エコキュートの施工時には、こういった配管トラブルを避けるため、配管に保温材を巻いておくなどの処理がなされます。しかし、普段そこまで気温が落ちない地域などであれば、配管がむき出しで施工されてしまうことがあるのです。普段温暖な地域でも、冬場に数日間だけ急激に寒くなる…なんてことは普通にありますので、しっかりと配管の凍結防止は行ってもらうようにしましょう。なお、寒冷地域などに住んでいる方であれば、一定以上、気温が下がった際に配管を温めてくれるヒーターなどを設置するのがオススメです。

エコキュートの 耐用年数

要はエコキュートの寿命で、どこかから水漏れしているというパターンです。エコキュートは、販売開始が2001年と、他の家電に比べてまだ歴史が浅く、はっきりとした耐用年数のデータが集まっていないと言われています。しかし、使用されている部品などから考えて、一般的なエコキュートの寿命は10~15年程度と言われています。

もちろん、使用環境や使用頻度、メンテナンスの有無によって寿命は変わりますが、10年程度利用していれば、消耗品の劣化から水漏れトラブルが発生してしまうことも少なくありません。

エコキュートのメンテナンス不足

エコキュートは、定期的な点検・メンテナンスが必要不可欠です。特に綺麗なお湯が貯まると考えられている貯湯タンク内も、水垢や水道水に含まれるミネラル分が沈殿物として徐々に溜まってしまうのです。こういったタンク内の汚れは、半年に一回程度の清掃が必要と言われているのですが、これを放置してしまうと配管の損傷を招いてしまう危険があります。また、浴槽フィルターの汚れなどもエコキュートの劣化につながりますので、 日常的に清掃を行いましょう。

水漏れを見つけた場合はどうする?

それでは最後に、水漏れトラブルを発見した場合の対処法も簡単にご紹介しておきましょう。

エコキュート利用中に、恒常的な水漏れを発見した場合には、まず止水栓閉めて、エコキュートの使用を止めましょう。その後すぐに、エコキュートの設置業者に連絡し水漏れの原因を調べてもらいましょう。

水漏れ原因が発覚した際には、すぐに修理してもらおうと考えることでしょうが、エコキュートの使用期間なども総合的に考えて修理を依頼するのか決めなければいけません。例えば、水漏れが発覚したエコキュートについて、設置から10年以上利用している場合、配管が原因であったとしてもエコキュート本体側もかなり劣化が進行していると考えられます。したがって、配管交換などで10万円近く修理費用がかかる場合には、修理してもすぐに別の場所が故障する可能性があるため、思い切って買い換えた方がお得になる場合が多いです。

パッキンなどの消耗品の交換のみで修理が可能な場合、修理費用も安く済みますので、この場合は修理で構わないと思います。

まとめ

今回は、エコキュートの水漏れトラブルに関して、水漏れを疑った方が良い症状や、水漏れが発生してしまう原因についてご紹介してきました。

本稿でご紹介したように、エコキュートに限らず、どのような給湯器を利用していたとしても、給湯器には水漏れトラブルの可能性が付きまといます。給湯器の配管は目に見える部分にばかり通っているわけではなく、壁内に配管を通している…など、目に見えないことから水漏れが発生してしまうことも珍しくないため、「水漏れに気付くのが遅れてしまう…」などといった事も多くなるでしょう。

しかし、給湯器の水漏れトラブルに気付かず放置してしまうと、余計な水道代や電気代がかかってしまうなど、家計の圧迫にも繋がってしまいます。他にも、本来関係のない部位に水が広がり、被害を拡大させてしまう危険もあります。したがって、本稿でご紹介した内容を頭に入れておき、「水漏れと考えられる症状がないか?」普段から確認するようにしましょう。