今回は、エコキュートを導入している方で、使用中に「足し湯ができない…」といったトラブルが発生した時の対処法をご紹介したいと思います。
オール電化住宅が増えている近年では、給湯システムも電気エネルギーを利用するエコキュートを選択される方が増えていると言われています。エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットが一体となった給湯器で、大気中の熱も効率良く利用できることや、電気代が安い深夜帯にお湯をまとめて沸かすことで、他の給湯システムよりも大幅に給湯コストが下げられると人気なのです。
しかし、エコキュートに関しても他の給湯器同様に、一度購入すれば一生その給湯器が故障もせずに使い続けることはできません。特にエコキュートの場合、ヒートポンプ技術が利用されているなど、複雑なシステムとなっているため、ガス給湯器と比較すると故障の可能性がある箇所も多くなってしまうのです。もちろん、他の給湯器と比較して故障リスクが高くなるわけではないのですが、エコキュートの導入を検討している方であれば、代表的な故障はどのようなものがあるのか?またどのような対応をすれば良いのかは知っておきたいものでしょう。
そこで今回は、エコキュートのトラブル事例の代表と言われている「足し湯ができない…」となった場合、「どのような原因が考えられるのか?」や「修理にいくらかかるのか?」といった事をご紹介します。
目次
エコキュートの『足し湯』って何?
それでは、そもそもエコキュートの『足し湯』がどのような機能なのかを簡単にご紹介しておきましょう。
エコキュートの足し湯に関しては、そこまで複雑な機能ではなく、お風呂にはったお湯が少なくなってしまった…などと言った場合に、追加でお湯を足す機能になります。ただし、エコキュートの足し湯機能は、目的によって使い分けるため2つの機能に分かれています。
- 足し湯機能 ⇒ タンクの熱湯と水をまぜて適温のお湯を追加する(湯量が減った時に使う)
- 高温足し湯 ⇒ タンク内の熱湯をほとんど薄めず、60℃~80℃の高温状態で足し湯をする(風呂の湯を温め直すために使う)
エコキュートの足し湯機能は、上記のように目的によって種類が存在しているのです。どちらにしても、「貯湯タンクに貯めている熱湯を利用してお風呂にお湯を足す」という意味では同じです。
足し湯ができない原因は何?
それでは、エコキュートの利用中に「足し湯をしたいのにお湯が出ない…」といったトラブルが発生した場合、どのような原因があり、どのような対応をすれば良いのでしょうか?
「足し湯が使えない…」といったトラブルでも、実は複数の原因が考えられるのです。以下に、足し湯ができない場合に考えられる原因と、対処方法をご紹介しておきます。
原因① 貯湯タンクのお湯が切れている…
エコキュートを利用中に、「足し湯ができない…」などのトラブルが発生すると、ほとんどの方はエコキュートの故障を疑ってしまうことでしょう。しかし実施には、エコキュート側には何の問題も発生していない…という場合もあるのです。
「足し湯機能が使えない…」というトラブルの際に多いのは、日中にお湯を使いすぎてしまい、貯湯タンクが空になってしまっている…ということがあります。エコキュートはタンクに貯めたお湯を給湯する貯湯式の給湯器ですので、お湯切れが起こってしまった際には、当然『足し湯機能』は使えません。したがって、「故障だ!」とメーカーなどに問い合わせる前に、タンクのお湯が残っているかを確認しましょう。
対処法について
対処法としては、お湯を沸かし直すしかありません。余計な光熱費が掛かってしまいますが、以下の対応を取りましょう。
- 三菱電機のエコキュート⇒リモコンの【満タン】ボタンを押す。
- パナソニックのエコキュート⇒リモコンの【沸き増し】ボタンを押す。
- 日立のエコキュート⇒リモコンの【沸き増し】または【タンク沸き増し】ボタンを押す。
- ダイキンのエコキュート⇒リモコンの【沸き増し】ボタンを押す。
- コロナのエコキュート⇒リモコンの【タンク 沸き増し 】または【 沸き増し 】ボタンを押す。
- 東芝のエコキュート⇒リモコンの【 沸き増し 】ボタンを押し「少量/全量」いずれかを選択。
原因② エコキュートの不具合
「足し湯ができない…」などのトラブルが出た場合、エコキュートの温度調整をしている基盤が劣化していることにより、正常に動作できなくなっている場合があります。
なお、このような不具合でも、専門業者に修理を依頼しなくても解消できる場合があります。基盤に何らかの不具合が出ている場合、エコキュート本体を一旦リセットすることで正常に動作するようになることがあるのです。 なお、このような不具合が出ている場合には、リモコンの液晶にエラーコードが表示されていると思いますので、そのエラーコードが何を意味しているか取扱説明書などで確認してみましょう。修理が必要かどうか見極めるため、以下の方法を試してみましょう。
対処法について
まずエコキュートの漏電ブレーカーの操作カバーを開けてください。カバーを開けると「テストボタン」がありますので、それを押して、最後に漏電ブレーカーを上げます。
テストボタンを押せば漏電ブレーカーが下がりますので、それを上げればエコキュートのリセットができるのです。この手順を行ったとしてもトラブルが解消できない場合、何らかの故障が考えられますので、業者に連絡して修理してもらいましょう。
足し湯の不具合はどれぐらいの修理費がかかる?
それでは、エコキュートの足し湯ができなくなった場合で、原因②のように故障が原因と考えられるときにはどれぐらいの修理費用がかかるのでしょうか?気になりますよね。
当然、こういったエコキュートの修理は、使用している機種やメーカーなどによって多少上下してしまいますが、純粋に基盤の交換で修理可能な場合は3万円程度の費用が相場となります。
しかし、こういった故障の場合でも、基盤の修理だけでは問題の解消ができない場合もあり、例えばヒートポンプユニットが故障している…など、大掛かりな修理が必要な場合には修理費用が十万円を超えてしまうこともあります。
したがって、エコキュートの修理を行う時には、何年利用しているエコキュートなのかやどの部分が問題でいくら修理費用がかかるのかによって、修理か買い替えかを見極める必要があります。十万円を超えるような修理費用がかかる場合、エコキュートの根本部分が故障しているということですので、他の部位も劣化していることが考えられます。また、耐用年数が近いエコキュートも同じように他の場所が劣化していることでしょう。つまり、お金をかけて修理したとしても、すぐにまた別の場所に故障が出る…といった可能性が高いため、買い替えがオススメということです。
まとめ
今回は、エコキュートのトラブル事例として多い「足し湯機能が使えない…」という件について、その対処法や修理費用についてご紹介してきました。
足し湯機能に関しては、毎日のお風呂で頻繁に使うご家庭が多いため、この機能が使えなくなってしまうと非常に困ってしまうことでしょう。しかしこの記事でご紹介したように、足し湯機能が使えない場合でも、本体側には何の問題も出ていなく、故障と勘違いしてしまっている…というパターンも少なくないのです。したがって、足し湯機能に何らかの不具合が生じた場合、まずはタンク内に十分なお湯が残っているのか確認してみるようにしましょう。
また、故障の場合でも、何も考えずに修理をしてしまうと、故障が積み重なってしまい、結果的に買い替えた方が安かった…などと後悔してしまうことも考えられます。エコキュートは、一度購入すれば一生使える設備という訳ではありませんので、「いずれ買い替えが必要」ということを頭に入れて、買い替えのタイミングを見極めるのも重要だと覚えておきましょう。