今回は、エコキュートの導入を決めた方に向けて、実際にエコキュートへの交換工事を進める場合にかかる費用相場についてご紹介します。
一口に「エコキュートの導入」と言っても、ご家庭ごとに従来から使用している給湯器に違いがありますので、いくつかのパターンが考えられます。例えば、今まではガス給湯器を利用していた方がエコキュートを導入する場合と、古くなったエコキュートを新しいエコキュートに交換する場合では、必要になる工事が大きく異なることもあり、導入費用も違ってくるのです。
したがってこの記事では、いくつかのパターンに分けて、一般的に必要になるであろうエコキュートの導入費用についてご紹介していきたいと思います。当然、選択するエコキュートの機種や設置を行う施工場所の条件などによって、以下でご紹介する導入費用と誤差が出てしまう場合があるということはご了承ください。
目次
パターン別エコキュートの導入にかかる費用相場は?
それでは、ご家庭の給湯システムをエコキュートに切り替えようと考えた際、エコキュートの導入にかかる費用相場をいくつかのパターンに分けてご紹介していきましょう。
ここでは、「古いエコキュート⇒新しいエコキュート」、「電気温水器⇒エコキュート」、「ガス給湯器⇒エコキュート」への交換パターンについて、それぞれの費用相場を考えてみたいと思います。
CASE① エコキュートから新しいエコキュートに入れ替え
まずは、古くなったエコキュートを新しいエコキュートに入れ替えする場合です。どのような住宅設備でも同じですが、エコキュートにも寿命というものがあり、約10~15年で故障が目立つようになり、新しいものと交換することになります。
一般的にですが、このような「古いエコキュートから新しいエコキュートへの入れ替え」の場合には、総額で30~50万円程度が費用相場となります。このパターンの場合の内訳は以下のようになります。
エコキュート取り替え工事費 | 10~15万円程度 |
---|---|
エコキュート本体費用 | 20~35万円程度 |
総額 | 30~50万円程度 |
費用の違いについては、新しく導入するエコキュートのグレードや設置場所の施工条件によって異なります。
この場合の一般的な工事内容も簡単にご紹介しておきましょう。
- 既存エコキュートの撤去工事
現在設置されているエコキュートを取り外します。 - エコキュート設置工事
新しく導入するエコキュートを設置します。 - 運搬・処分作業
新しいエコキュートの運搬や、古いエコキュートの運搬、処分にかかる費用です。 - 電気工事
新しいエコキュートを動かすための電気工事です。
「エコキュート⇒エコキュートへの入れ替え」の場合、既存エコキュートの基礎などが再利用できるため、施工費用を抑えることが可能です。ただし、古いエコキュートを設置した時に、まともな基礎がつくられていなかった…などと言った場合には、基礎工事が必要になる場合があります。
※上記金額・施工内容はあくまでも目安です。
CASE② 電気温水器からエコキュートに入れ替え
次は電気温水器からエコキュートに入れ替えするパターンです。電気温水器もエコキュート同様、電気を利用した給湯器なのですが、こちらは大きな電気ポットのような機構となっているため、ヒートポンプ技術を活用したエコキュートの方が効率的にお湯を作れるのです。実際に、エコキュートと電気温水器を比較すると、消費電力が約1/3以下まで抑えられ、年間にすると5万円以上もランニングコストが安くなるというデータもあるほどなのです。
電気温水器からエコキュートへ入れ替える場合の一般的な費用相場は、35~55万円程度になります。この費用の内訳は以下のようになります。
エコキュート取り替え工事費 | 12~18万円程度 |
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エコキュート本体費用 | 20~35万円程度 |
電力会社申請費用 | 2~5万円程度 |
総額 | 34~55万円程度 |
この場合も、新たに導入するエコキュートのグレードや施工条件などによって費用は異なります。
電気温水器からエコキュートへの入れ替えの場合には、施工内容も少し変わってきます。
- 既存設備撤去工事
現在使用している電気温水器を取り外します。 - エコキュート設置工事
新しいエコキュートを設置します。 - 配管工事
エコキュート用の配管へ変更する工事です。 - 電気工事
エコキュートを動作させるための電気工事です。分電盤を交換する場合もあります。 - 運搬・処分作業
新しいエコキュートの運搬や、撤去した電気温水器の運搬・処分に必要な費用です。
既存電気温水器の基礎にエコキュートを設置できない場合には、基礎工事も必要になる場合があります。
※上記金額・施工内容はあくまでも目安です。
CASE③ ガス給湯器からエコキュートに入れ替え
最後はガス給湯器からエコキュートへの入れ替えです。この場合、給湯のためのエネルギー源から異なりますので、導入費用も少し高くなるでしょう。
ガス給湯器からエコキュートへの入れ替えを考えた場合、一般的な費用相場は35~60万円程度と考えておきましょう。
エコキュート取り替え工事費 | 15~20万円程度 |
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エコキュート本体費用 | 20~35万円程度 |
電力会社申請費用 | 2~5万円程度 |
総額 | 37~60万円程度 |
ガス給湯器からエコキュートへの入れ替えをする場合には、いくつかの注意が必要です。ガス給湯器は小型化も進んでおり、壁掛け設置などもできるので、設置に大したスペースも必要ありません。しかしエコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクの設置が必要になるため、ガス給湯器と比較するとかなり大きなスペースを必要とするのです。また、設置予定場所の地盤が緩い場合には基礎を打たなければいけないなど、工事費用も少し高くなります。
この場合に必要になる工事内容は以下のようになっています。
- 既存設備撤去工事
現在使用しているガス給湯器を取り外します。 - エコキュート設置工事
新しいエコキュートを設置します。 - 配管工事
エコキュート用の配管へ変更する工事です。 - 電気工事
エコキュートを動作させるための電気工事です。分電盤交換、幹線張替えをする場合もあります。 - 運搬・処分作業
新しいエコキュートの運搬や、撤去したガス給湯器の運搬・処分に必要な費用です。 - 基礎工事
設置場所によっては、エコキュートの土台となる基礎工事が必要です。
近年、ガス給湯器からエコキュートへの入れ替えが非常に増えていますが、設置場所の条件によっては導入できない場合もあります。まずは、専門業者に設置予定場所を見てもらい、問題なく設置できるか確認しましょう。
※上記金額・施工内容はあくまでも目安です。
まとめ
今回は、エコキュートの導入や交換にかかる費用相場をいくつかのパターンに分けてご紹介しました。この記事でご紹介した費用相場に関しては、工事を依頼する業者や施工条件などによってかなり上下する可能性がありますので、あくまでも目安として考えておきましょう。
ただし、エコキュートの導入のため見積りを取った際に、この記事でご紹介した金額から大幅に高い場合や安すぎる場合には注意が必要です。あまりにも高い見積りが出てきたのであれば、どこにそのような費用がかかっているのか明確に説明してもらうようにし、あいまいな説明になるのであればやめておいた方が良いでしょう。「安い分にはいいのでは?」と考えてしまうかもしれませんが、その安さがアフターフォローや保証の薄さにより実現しているのであればあまりオススメできません。エコキュートというのは、導入後10年以上も利用する住宅設備ですので、定期的なメンテナンスが必須なのです。したがって、アフターフォロー体制がどうなっているのかもきちんと確認しましょう。