今回は、オール電化住宅が増えてきた近年、毎日の調理で大活躍しているIHクッキングヒーターのメリットとデメリットについてご紹介していきたいと思います。

IHクッキングヒーターと聞くと、皆さんはどのようなイメージを持っているでしょうか?一昔前であれば、「IHは火力が弱くて、調理が大変…」なんて情報が出回っていたこともあり、オール電化住宅を躊躇する大きな理由になっていたと言われています。実際に、弊社がオール電化をご提案した際に、「IHクッキングヒーターの火力はやっぱりガスコンロよりも弱いのですか?」「IHクッキングヒーターだと火力の問題で出来ない調理があるってホントですか?」などと言った質問を受けることも少なくありません。

確かに、IHクッキングヒーターの中でも、単身用の持ち運び可能な小型のものであれば、火力が十分に伝わらず、料理に苦労してしまった…なんて話を聞いたこともあります。しかし、本来IHクッキングヒーターは、ガスコンロよりも熱効率がかなり高い設備となるため、『火力が弱い…』なんてことはなく、調理に際に火力が問題となって苦労することはないと思います。特に戸建て住宅に導入されるような大型のIHクッキングヒーターであれば、安全に調理が行えるというメリットがあるため、非常にオススメです。

この記事では、IHクッキングヒーターやオール電化の導入に迷っている方のため、ガスコンロと比較した場合のIHのメリットとデメリットをご紹介します。

IHクッキングヒーターのメリット

それではまず、IHクッキングヒーターが持つメリット面からご紹介していきましょう。IHクッキングヒーターの大きな特徴は、ガスコンロのように火を使うことなく加熱調理が可能になるということです。

この特徴から、高齢者や小さなお子様がいるご家庭などでは、より安全に調理することが可能になるのです。

メリット① 火を使わないので安全

IHクッキングヒーター最大のメリットと言われるのは、火を使わないコンロとなりますので安全だということです。

ガスコンロの場合、調理中の不注意で火災が発生してしまう危険があるなど、安全性のネックがあるのですが、IHクッキングヒーターは火を使わずに加熱ができますので出火の危険性がないのです。また、近年のIHクッキングヒーターは、温度過昇防止などの安全機能が備え付けられていますので、鍋を火にかけていることを忘れて他の家事をしていたら、料理が台無しになった…なんてことも防いでくれます。

こういった安全性の高さから、高齢者や小さなお子様がいるご家庭ではIHクッキングヒーターが選ばれることが増えています。

メリット② 日々のお手入れが楽

IHクッキングヒーターを選ぶ方の中には、フラットな天板になっているため、調理後にさっと拭くだけで掃除が終わってしまうなど、日々のお手入れの手軽さをメリットと捉えている人が多いです。

ガスコンロの場合、バーナー部分や五徳など、パーツも多いですし掃除が本当に大変です。そのため、普段の掃除を怠ってしまい、気付いたときには汚れがこびりついて自分ではどうしようもできない…なんてことになることも珍しくありません。

IHクッキングヒーターは、日々のお手入れが非常に楽なので、掃除の手間を省き、常にキッチンを綺麗に保てるというメリットがあります。

メリット③ 夏場の調理が楽

IHクッキングヒーターは、鍋やフライパンの底だけを加熱する方式ですので、ガスコンロのように周辺の温度まで上昇させることが少ないです。ガスコンロは、直接火を使って加熱しますので、どうしてもキッチン全体まで熱風が広がってしまうのです。

したがって、夏場の暑い日の調理は、IHクッキングヒーターの方が圧倒的に楽だと言われる点もメリットでしょう。

メリット④ 実は火力が強い

IHクッキングヒーターは、長らく「火力が弱い…」ということをデメリットと言われていたのですが、実はガスコンロと比較してもかなり熱効率が良い設備なのです。

したがって、IHクッキングヒーターは、加熱スピードも速く、調理も早く終わることがメリットとなります。今まで「IHは火力が弱い!」という情報を信じていた人であれば、火力の強さで逆に調理を焦がしてしまわないように注意しましょう。

メリット⑤ 一酸化炭素中毒のような事故の心配がない

あまり頻繁に起こることではありませんが、ガスコンロの場合、ガス漏れや点火失敗などによりキッチンにガスが充満し、一酸化炭素中毒に…ガス爆発の危険が…などさまざまなリスクが存在しています。

IHクッキングヒーターは、ガスを使わない設備ですので、このような心配もなく、安全に使用できるのがメリットになるでしょう。

IHクッキングヒーターのデメリット

IHクッキングヒーターには、非常に多くのメリットがあるとわかりました。しかしその一方で、いくつかのデメリットも指摘されていますので、導入をお考えであれば、デメリット面もしっかりとおさえておきましょう。

デメリット① 停電になると調理ができない

IHクッキングヒーターのデメリットは、電気で動く設備となるので、停電などが発生してしまうと一切使えなくなってしまうことです。ちなみにガスコンロに関しても、着火は電気を使用しますので、ビルトインコンロのようなガスコンロの場合、停電時に使用できないものもあります。

したがって、災害に備えるため…と考えるのであれば、カセットコンロを用意しておくと良いでしょう。

デメリット② 調理器具を選ぶ

IHクッキングヒーターを使用する場合、『IH専用』と記載された調理器具が必要です。したがって、今までガスコンロを利用していたご家庭であれば、調理器具を買い替えなければならず、コストがかかってしまうのがデメリットでしょう。なお、IH専用の鍋などは、一般のものよりも割高になります。

デメリット③ 調理方法が限られる

IHクッキングヒーターは、コンロと鍋底が直接触れていることによって加熱されるものです。したがって、フライパンを振ったり、傾けたりするような調理方法の場合、調理器具がコンロから離れてしまい加熱が停止してしまうのです。

炒め物などを行う場合には、フライパンを振って攪拌する人が多いですが、こういった手法では火力が維持できないのがデメリットになるでしょう。IHクッキングヒーターを導入するのであれば、木べらや箸を利用して攪拌するなど、今までのやり方を変える必要があります。

また、IHの場合、火が出ませんので『あぶる』などの調理方法ができなくなります。

まとめ

今回は、ガスコンロと比較した場合のIHクッキングヒーターのメリットとデメリットをご紹介してきました。

IHクッキングヒーターは、火力が弱く調理がしづらくなる…などと言ったネガティブな情報が出回っていたこともあり、「オール電化にしたいけれど、IHはちょっと不安…」と感じてしまう人が少なくないと言われています。しかしこの記事でもご紹介したように、本来IHクッキングヒーターはガスコンロよりも熱効率が良い設備となるので、調理の際に火力不足が問題になるようなことはないと思います。それどころか、同じ量のお湯を沸かすことを考えた場合、約1/2程度の時間で沸かすことができるようになるなど、調理時間も短くなる可能性も高いのです。

今まで、『火力不足…』という噂からIHクッキングヒーターの導入を躊躇していた人がいれば、安心して導入しても問題ないと思いますよ。ただし、鍋底がコンロに直接触れていなければ加熱できない…という、ガスコンロとかなり異なる使い勝手になることは頭に入れておいた方が良いでしょう。

IHクッキングヒーターは、火を使わずに調理ができるようになりますので、小さなお子様がいるご家庭などであれば、安全・安心の住宅設備としてオススメです。