今回は、IHクッキングヒーターの寿命や、買い替えを検討したほうが良い症状についてご紹介したいと思います。近年では、調理に使うコンロに、IHクッキングヒーターを導入する方が増加しています。オール電化住宅を導入する場合には、もちろんガスコンロからIHクッキングヒーターにするのですが、特にオール電化住宅を考えていない住宅でも、調理にはガスではなくIHという方も増えていると思います。

IHクッキングヒーターのメリットは、調理に『火』を使うことがありませんので、小さなお子様がいる家庭や高齢者の方でも安全に利用できるということや、掃除が楽になるなどが言われています。しかし、一昔前までであれば「IHは火力が弱いし、調理しづらい…」などと言ったことが弱点とされ、オール電化を導入するときのネックにもなっていました。しかし、最近のIHクッキングヒーターは、ガスなどと比較して「火力が弱くて困る…」なんてこともなく、調理の面で何らかのネックになるようなことはないと言われています。そもそも、熱効率に関しては、ガスコンロよりもIHクッキングヒーターの方が良いので、フライパンを振るような料理以外であれば、もともと困るような場面は少なかったはずです。

こういった理由もあり、IHクッキングヒーターの導入を決めたという方でも、設備的な耐用年数(寿命)が気になる…という人は多いのではないでしょうか。特に、IHクッキングヒーターの場合、目に見える『火』が出ませんので、表面的に劣化を感じることがガスコンロよりも難しいのです。

そこで今回は、IHクッキングヒーターの一般的な寿命や、買い替えを検討したほうが良い症状についてご紹介します。

IHクッキングヒーターの耐用年数(寿命)は?

それではまず、一般的に言われているIHクッキングヒーターの寿命からご紹介しておきましょう。IHクッキングヒーターの耐用年数に関しては、一般的に『10~15年』程度だと言われています。もちろん、この耐用年数はあくまでもメーカーが公表する目安で、日々のお手入れをしっかりとしていれば20年以上持つような場合もありますし、逆に何のお手入れもしない…間違った使い方をする…などと言った場合には、10年も持たずに故障してしまうこともあるでしょう。ガスコンロの耐用年数に関しては、7~10年程度なのが一般的ですので、製品的な寿命に関してはIHクッキングヒーターの方がかなり長いと言えます。

しかし、IHクッキングヒーターを導入する場合、寿命の点で注意しておきたいことがあります。それは、IHクッキングヒーターの耐用年数は、上部のヒーター部分と下部のグリル部分で若干の違いがあるということです。上述した『10~15年』という耐用年数に関しては、上部のヒーター部分の事であり、下部に魚の調理などができるグリルがついている場合、グリル部分の寿命は『7~10年』程度と短くなってしまうのです。これは、グリルを利用して調理を行う場合に、塩分や魚の油などがグリル内に溜まってしまうことで、内部から劣化を速めてしまうことが原因です。 グリル機能付きのIHクッキングヒーターを導入する場合には、このことに注意して、グリル部分の日々のお手入れは、ヒーター部分よりも念入りに行うのがオススメです。また、グリル部分に関しては、消耗品の交換を速めてあげることや、年に5回程度空焼きして油を飛ばしてあげるなど、メンテナンス上の工夫をすればより長く使用することができます。

IHクッキングヒーターの買い替えを検討したほうが良い症状

IHクッキングヒーターの耐用年数がわかったところで、買い替えを検討した方が良いIHクッキングヒーターの症状もご紹介しておきましょう。上述したように、一般的に『10~15年』と言われるIHクッキングヒーターの耐用年数ですが、これはあくまでも目安で、それよりも前に壊れることもあれば、逆に長く使用できる場合もあるのです。したがって、「そろそろ買い替えた方がいいかな?」と考えた方が良い症例を知っておくと、普段の生活で困る場面も少なくなると思います。

特に調理に使用する設備ですので、突然使用できなくなってしまえば、その日のご飯を作れなくなってしまうため、非常に困ってしまうことになるでしょう。計画的に設備の更新をしていくためには、IHクッキングヒーターの代表的な異変を頭に入れておきましょう。

ヒーターの火力が弱くなる…

IHクッキングヒーターは、寿命が近くなるとヒーター部分の経年劣化によって火力が低下してしまう…という症状が出ます。ガスコンロのように、「火力の強弱」を目で確認することはできませんが、例えば、お湯を沸かすのに時間がかかるようになった…など、普段の調理中に気付けるポイントはいくつもあると思います。したがって、10年近く利用したIHクッキングヒーターであれば、そういった点にも注意してみましょう。

電源の不調…

IHクッキングヒーターは、調理中の煮こぼれや吹きこぼれが原因となり、内部基盤が損傷してしまうことがあります。もちろん、一度や二度の吹きこぼれ程度で、いきなり故障してしまう…なんてことは考えづらいですが、何度もこのような現象を起こせば、それが蓄積して故障につながる…ということがあるのです。

IHクッキングヒーターの内部基盤に、何らかの不具合が発生した場合には、電源ボタンを押してもなかなか電源が入らない…などと言った現象が出る場合が多いです。このような症状が出始めたら、「そろそろ買い替えかな?」と考えた方が良いでしょう。 他にも、以下のような症状も、IHクッキングヒーターの寿命を判断するポイントとなります。

  • 使用中に「ブーン」という異音がなる
  • ヒーターやグリルの温度が上がらない
  • 使用すると、すぐにブレーカーが落ちてしまう

上記のような症状が出ている場合には、IHクッキングヒーターの寿命を疑い、専門業者に点検してもらうのがオススメです。

まとめ

今回は、近年導入する方が増加しているIHクッキングヒーターの寿命についてご紹介してきました。IHクッキングヒーターは、調理に火を使わなくても良いので、小さなお子様がいるご家庭や、高齢者の方でも安全に使用できるのが最大のメリットとなります。特に、近年のIHクッキングヒーターは高性能化が進んでおり、さまざまな安全機能が搭載されるようになっています。これにより、住宅火災のリスクも大幅に下げることができますし、これだけでもガスコンロより優れていると言えるのではないでしょうか?

しかし、どのような設備でも同じなのですが、IHクッキングヒーターにも当然、製品的な耐用年数というものがあり、一度購入すれば一生その設備が利用できるという訳でもないのです。特に、毎日の調理に必要不可欠な設備となってしまいますので、故障で数日から数週間使用できなくなった場合には、生活がとても不便になってしまうのは間違いないでしょう。したがって、こういった設備の導入時には、製品的な耐用年数を掴んでおくことや、「寿命かな?」と考えた方が良い症状を知っておくのが重要です。 こういった事を掴んでおくことで、計画的に設備の更新が可能になりますので、ご家庭の生活も不便を感じることなく、普段の生活通りに進めることができるようになると思います。