今回は、エコキュートを使用する場合には注意しておきたい『入浴剤とエコキュートの関係』についてご紹介したいと思います。

エコキュートは、電気を利用してお湯を沸かす給湯システムなのですが、ガス給湯器などと比較しても省エネ効果が高いという点で近年非常に高い人気を誇っています。特に、オール電化住宅が増加している最近では、エコキュートの需要が非常に高いといっても良いでしょう。しかし、今までガス給湯器を利用していた方であれば、毎日のお風呂に入る時には少し注意が必要なのです。

最近では、「家にいても全国の温泉が楽しめる!」などといったキャッチフレーズもあり、入浴時には必ず入浴剤を入れるという方が増加しています。しかし、エコキュートをご利用しているご家庭では「入浴剤を使うとエコキュートが壊れる…」なんて情報が出回っていることもあり、エコキュートに入れ替えするのを躊躇してしまう…という人もいるそうです。実際に弊社にあるお問い合わせの中でも「エコキュートにすると入浴剤が使用できないってほんとですか?」などと言う質問は少なくありません。

最初に言っておきますが、家庭の給湯システムをエコキュートにしたからと言って、入浴剤が一切使えない…なんてことはありません。確かに、古いエコキュートの中には入浴剤の使用自体を禁じているものもあったのですが、最近のエコキュートは問題なく使える機種がたくさんあります。さらに、エコキュート自体の普及が進んでいることもあり、入浴剤メーカーの方がエコキュート対応商品を販売するなど、お風呂好きに合わせた使い方もできるのです。 そこで今回は、エコキュートの導入を検討中の方のため、入浴剤を使用する場合の知っておきたい基礎知識についてご紹介します。

有名メーカーのエコキュートと入浴剤の関係について

それではまず、エコキュートの代表メーカーについて、それぞれのメーカーが販売する機種と入浴剤の関係を見てみましょう。エコキュートは、その人気の高さから多くのメーカーが開発・販売に参入しています。当然、メーカーごとにエコキュートの開発ポイントが異なりますので、使える入浴剤のタイプも変わってしまうのです。

ここでは、ダイキン・コロナ・パナソニック・日立のエコキュートに関して、使用して問題のない入浴剤をご紹介します。

コロナのエコキュートと入浴剤

コロナは、メーカーとしての知名度はあまり高くないのですが、近年では非常に高性能なエコキュートだと人気のメーカーとなっています。コロナのエコキュートに関しては、バブやバスクリン、バスロマンなど、ドラッグストアなどでも手に入る有名入浴剤の使用が可能です。ただし、酸、アルカリ、硫黄、塩などが含まれているものや固形物が含まれている、とろみがあるタイプの入浴剤はNGです。

ダイキンのエコキュートと入浴剤

次はダイキンです。ダイキンのエコキュートは、全般的にバスクリンの使用が可能です。さらに、にごり湯タイプの入浴剤を使用できる機種があるなど、豊富な入浴剤を楽しめる機種が多いです。ただし、コロナ同様、酸、アルカリ、硫黄、塩などが含まれている入浴剤に関しては使用不可となっています。

なお、固形物を含む、とろみがあるタイプは故障の原因となるため、使用不可です。この二つのタイプは、エコキュート全般で使用不可と考えておいて問題ないでしょう。

パナソニックのエコキュートと入浴剤

日本人なら誰でも知っている家電の巨人『パナソニック』もエコキュートの開発・販売を行っています。パナソニックのエコキュートは、セミオート・給湯専用タイプのものであれば入浴剤の使用が可能です。

ただし、にごり湯タイプや近年人気のバブルタイプの入浴剤は使用を禁止されています。また、上記2メーカー同様、酸、アルカリ、硫黄、塩などが含まれるもの、とろみのある入浴剤はNGです。

日立のエコキュートと入浴剤

日立も家電メーカーとして有名ですね。日立が販売するエコキュートは、バブ、バスクリン、きき湯、バスロマンなどの有名入浴剤が使用できます。ただし、にごり湯タイプの入浴剤やバブルタイプ、生薬タイプ、ミルクタイプの入浴剤は基本使用不可です。

エコキュートは、目詰まりを原因に故障してしまう可能性がありますので、基本的ににごり湯系やとろみ系の入浴剤は使えないと思っておきましょう。

入浴剤がエコキュートに与える影響って何?

浴槽

エコキュートに関しては、「入浴剤が使えない…」という情報は間違いで、一部の入浴剤に関しては使用できない可能性があるというのが正しい表現となります。上述したように、バブやバスクリンなど、有名入浴剤に関してはほとんどの機種で使用できますので、入浴剤の関係でエコキュートの導入を躊躇しているのであれば、そこまで気にする必要はないと思います。

なお、どのエコキュートに関しても、付属されている取扱説明書内で、使用可能な入浴剤が記載されています。また、公式サイト内でも公表しているメーカーがありますので、どうしても気になるという方は、あらかじめ調べておくと良いでしょう。公式サイトや取扱説明書で『使用可』と紹介されている入浴剤であれば、メーカー側で故障の可能性がないときちんと実証されているので安心です。

それでは、入浴剤の中でも、エコキュートに利用できないタイプは何が原因となっているのでしょうか?エコキュートは追い炊き機能や自動保温機能がついている機種も多いのですが、こういったタイプは、バスタブとエコキュートが配管でつながっており、バスタブに入れた入浴剤が配管内を循環しフィルターの目詰まりを起こしてしまう可能性があるのです。特に、粒子が大きいものや溶けにくい入浴剤は注意が必要です。以下で、エコキュートに悪影響を与える入浴剤の特徴をご紹介しておきましょう。

  • 白濁色・とろみ成分タイプの入浴剤
    このタイプは、循環口のフィルターを目詰まりさせてしまう可能性が高いです。また、ポンプ内に湯垢が付着しやすくなるので、それも故障の原因になります。
  • 発砲成分タイプの入浴剤
    入浴剤の泡が配管内に入り込んでしまい、ポンプのセンサーが反応してしまう可能性があるなど、センサーが正常に作動できなくなるのです。
  • 硫黄、酸、アルカリ、塩分など
    配管やエコキュートの金属部分のサビや腐食の原因になります。
  • 固形物
    生薬など、お湯に入れても溶けないような固形物は、フィルター詰りの原因になります。

ちなみに、給湯専用タイプなど、追い炊き機能が搭載されていないエコキュートに関しては、バスタブのお湯が配管内に循環しませんので、より多くの入浴剤が使用できる傾向にあります。

まとめ

今回は、エコキュートと入浴剤の関係についてご紹介しました。毎日のお風呂に関しては、一日の疲れを取るため、入浴剤入りのお風呂を楽しみにしているという方も多いことでしょう。こういった方であれば、「エコキュートは入浴剤を使えない…」という情報を聞いたときには、エコキュートの導入を躊躇してしまうのも理解できます。

しかし、本稿でご紹介したように、最近のエコキュートに関して言えば、問題なくいろいろな入浴剤を楽しめる機種が増えており、「エコキュートにすると入浴剤が楽しめなくなる…」というのは間違った情報と言えるのです。確かに、いくつかのタイプの入浴剤に関しては、故障の原因となってしまいますので、使用しない方が良いものも存在しているのは事実です。しかし、きちんと機種を選べば、にごり湯タイプの入浴剤も使用可能など、十分お風呂を楽しみながら、給湯システムの節約効果を得ることは可能だと思います。 なお、エコキュートを使用している方で、入浴剤を必ず使用する…というのであれば、普段のお手入れは小まめにしておくのがオススメです。いくらメーカーが認めている入浴剤だとしても、やはり水以外の成分が含有されることには違いありませんので、メンテナンスを怠ってしまうと寿命を縮めてしまう原因になるのです。