今回は、エコキュートの買い替え時におさえておきたいポイントについてご紹介したいと思います。エコキュートは、電気をエネルギー源としてお湯を沸かす給湯システムで、ガス給湯器や電気温水器などと比較しても日々の給湯コストを削減できると人気になっています。エコキュートは、エアコンなどにも利用されるヒートポンプ技術が採用されているため、大気中の熱も効率よく利用することで同じ電気でお湯を沸かす電気温水器よりも大幅に少ない電気で給湯が可能です。さらに、貯湯式と呼ばれる給湯方式を採用しているため、一日に使用するお湯をまとめて沸かして貯め置きすることができるため、電力会社が用意しているオール電化用の料金プランなどを活用することができ、大幅に電気代を削減することができるのです。

このように、家計に非常に優しい給湯器であるエコキュートですが、当然他の給湯器同様に『寿命』というものが存在します。一般的にですが、エコキュートの寿命は10～15年程度と言われており、10年前後で買い替えを検討しなければならないのです。

そこでこの記事では、「そろそろエコキュートの買い替えが必要かな？」と判断したほうが良い買い替えタイミングや、買い替え時におさえておきたい基礎知識をご紹介します。

エコキュートの買い替えタイミングを判断するには？

エコキュートの買い替えに関して、皆さんが最も気になるのは「買い替えに踏み切るタイミングはいつ？」ということではないでしょうか？こう聞くと「故障してから買い替えればいいのでは？」と考えてしまう人も多いかもしれませんが、故障してしまうと数日間お湯が使えなくなってしまいますので、本来は完全に故障してしまう前に買い替えするのがオススメなのです。

ここでは、買い替え時期を見極めるためにおさえておきたいポイントからご紹介しておきます。

保証期間内であれば修理がオススメ

まずは、エコキュートに何らかの不調が生じた時、その不調がメーカーによる保証期間内だった場合です。エコキュートのメーカー保証は、無償保証と有償の延長保証があるのですが、延長保証に加入している場合、最大10年間まで修理の保証などをしてもらえます。

ただし延長保証にも種類が存在しており、5年・8年・10年などと言う期間の違いがありますので、ご自身が加入している延長保証がどれかは確認しておく必要があるでしょう。延長保証期間内であれば、買い替えではなく修理するのがオススメです。

保証期間外の場合

エコキュートに不具合が生じたけれど、既に保証期間が過ぎていた…といった場合には、「何年使用したエコキュートか？」「故障個所は何か？」といった事で修理か買い替えを判断する必要があります。

例えば、パッキンの経年劣化で不具合が生じている…などと言った場合であれば、数万円で修理が可能ですので、修理したほうが良いのですが、ヒートポンプユニットの故障など、エコキュートの根本部分の故障の場合、修理費が10万円を超えるようなことがあるのです。さらに、根本部分に故障が生じた場合、修理してもすぐに再発する可能性がありますし、他の場所も劣化している可能性があるため、思い切って買い換えた方が安くつく場合が多いです。高い修理費をかけても、次々と故障が表面化し、修理費用が嵩んでしまう…なんてことになる可能性があります。

10年以上使用したエコキュートは買い替えがオススメ

冒頭でご紹介したように、エコキュートの寿命は10～15年程度と言われています。もちろん、消耗品を定期的に交換するなど、日々のメンテナンスを小まめに行っていれば、それ以上使えることもあるのですが、基本的に10年を過ぎれば、さまざまなエラーが頻発するようになります。

さらに、10年を経過したエコキュートであれば、部品の生産が終了してしまい故障しても修理できない…なんてことも増えてきます。したがって、10年以上使用したエコキュートであれば、特に不具合が表面化していない場合でも「そろそろ買い替えなければ。」と準備を進めておくのがオススメです。長期間使用していれば、突然故障してお湯が出なくなる…なんてことも珍しくありません。そうなると、慎重に次の機種を選ぶ時間も無くなってしまいますので、計画的に買い替えを実行するには故障が発生する前に検討するのがオススメなのです。

エコキュートの買い替え。その他の注意点は？

エコキュートの買い替え時期を決めるためのポイントは上記のようになります。買い替えタイミングを無視してしまうと、数日間お湯が無い生活を強いられてしまう…買い替え機種を慎重に選ぶことができない…など、デメリットが多いため、ぜひ注意しておきましょう。

なお、エコキュートの買い替えは他にも注意しておきたいポイントがありますので、以下でいくつかの注意点をまとめてご紹介します。

エコキュートの買い替え費用は？

古いエコキュートを新しいエコキュートに買い替えする場合の費用は誰もが気になりますね。この場合、他の給湯器からの入れ替えではないため、既存基礎などが再利用でき、入れ替えにかかる費用は割安になるでしょう。

一般的には、新しいエコキュートの本体費用、古いエコキュートの撤去・処分費用、設置工事費用が必要になり、相場は30～50万円程度となります。費用の差は、主に新しく導入するエコキュートのグレードによります。

買い替えにかかる期間は？

エコキュートが故障して、お湯が出なくなってしまった場合、すぐにでも新たなエコキュートの設置をしてもらいたいものです。最近では、「最短即日施工！」などをうたっている企業も多くなっているため、故障してから買い替えれば良い…と安心している人も増えているのだと思います。

しかし、勘違いしてはいけないのは、エコキュートが故障して買い替えが必要になった場合、何の条件もなく即日施工が可能な訳ではないということです。新たなエコキュートの設置工事までは通常5日程度かかるものなのです。エコキュート本体は決して安い設備ではありませんので、お客様全ての好みに対応できるような在庫を常に所持しているような業者はいません。エコキュートはたくさんのメーカーが製造しており、機種もたくさんあるわけですので、そのすべてを在庫として保有するのは無理な話なのです。したがって、通常はお客様と打ち合わせの上、機種が決定してからメーカーに注文するという流れになり、メーカーから商品が届くのに数日はかかります。こういった事情で、問い合わせから5営業日程度が最短と判断しておかなければならないのです。

即日工事でエコキュートの買い替えをしたい…と思えば、業者が在庫として抱えている機種に限られるなど、さまざまな条件がクリアできた場合のみと考えた方が良いです。ちなみに、即日工事の場合、特急料金を取られる…、ローンでの契約ができない場合がある…など、何らかの制約がつく場合もありますので注意しましょう。

まとめ

今回は、家庭で使用しているエコキュートの買い替えタイミングについてご紹介してきました。エコキュートのような住宅設備に関しては、誰もができるだけ長持ちしてほしいと考えるものですので、故障するまでは使い続けたい…と考えていることでしょう。

しかし、家庭の給湯を担うシステムとなりますので、故障してから買い替えを検討するのでは少し遅いと考えた方が良いでしょう。この記事でもご紹介しているように、突然エコキュートが故障してしまえば、入替工事が完了するまでお湯が使えない生活を強いられてしまいますので、家族全員が不便な生活を送らなければならなくなります。さらに新しく導入するエコキュートに関しても、機能などを慎重に選ぶ暇もなく機種選びを進めなければならなくなりますので、購入した後に「もっと安いものが…」「もっと便利な機種が…」などと後悔してしまう結果を招く危険があるのです。

エコキュートにも、耐用年数がありますので、耐用年数が近くなってきたら故障などの症状が無くても、計画的に買い替えタイミングを検討していくのがオススメです。