今回は、家庭の給湯システムとして『エコキュート』を導入している方が、「エコキュートの調子が悪いのかな?」と不安に思ってしまうヒートポンプユニット周辺の水漏れ症状についてご紹介したいと思います。
近年、家庭の給湯器として非常に人気が高くなっているエコキュートですが、古くから日本国内で使用されているガス給湯器とは大きな違いが存在しています。もちろん、お湯を沸かすためのエネルギー源が『ガスと電気』という違いが真っ先に来るのですが、給湯器を構成する部品に関してもかなり異なるのです。例えば、ガス給湯器であれば、小型化が進んでおり、壁掛けで設置できるような小さな給湯器となっているのですが、エコキュートはエアコンの室外機のような『ヒートポンプユニット』とお湯を貯め置きするための『貯湯タンクユニット』が一体となっており、ガス給湯器よりも設置のためのスペースが必要になるのです。
そして、エコキュートのトラブルとして多いのが「ヒートポンプユニットの周辺が濡れている…まさか水漏れ…?」といったものです。ただし、一口に「ヒートポンプから水漏れが見られる…」と言っても、その原因はさまざまで一概にエコキュートの故障とは言えないのです。
そこで今回は、エコキュート利用者の方がぜひ覚えておきたい、ヒートポンプの水漏れ原因やその対処法をご紹介します。
目次
ヒートポンプ周辺でよく見られる水漏れ症状は?
それでは、エコキュートをご利用中の方が知っておきたい、ヒートポンプ周辺の水漏れ原因についてご紹介していきましょう。上述しているように、一口に『水漏れ』と言っても、その症状はさまざまで、原因もいくつか考えられます。代表的な水漏れケースは以下のような物でしょう。
- ヒートポンプから結露水が漏れ出ている
- ヒートポンプの配管に何らかの不具合がある
- ヒートポンプの排水に何らかの不備がある
ヒートポンプユニットの周辺で水漏れ症状がみられた場合、ほとんどのケースが上記のどれかが原因となっていると考えられます。
したがって、まずはどういったことが原因で水漏れ症状が出ているのかを判断しなければいけません。しかし、水漏れ箇所がはっきりと分からない場合には、何が原因で水漏れが発生しているのかなかなか判断することも難しい場合があります。
そこでまずは、ヒートポンプ周辺の水漏れ状態に注目して原因を追究するのが良いでしょう。以下に、水漏れ症状から考えられる原因をご紹介していきます。
症状① 朝方だけヒートポンプ周辺が濡れている…
まずは、朝方にはヒートポンプ周辺が濡れているけれど、時間が経つと乾いて水漏れがなくなる…といったパターンです。このような症状がある場合には、ヒートポンプからの結露水や排水の不備が考えられます。
配管に何らかの問題があり水漏れしている場合には、時間が経過しても乾いていくことなど考えられません。そのため、原因は結露水や排水となるのです。
エコキュートがお湯を沸かすときには、ヒートポンプから結露水が出ます。エコキュートは、深夜帯にお湯を沸かすのが普通ですので、朝に本体周辺を見ると、結露水で地面が濡れていて「水漏れかも!?」と故障を疑ってしまうのです。こういったエコキュートからの結露水については、本来ヒートポンプ下部にドレンホースが取り付けられ、雨水桝などに排水するような処置が施されています。しかし、業者の中にはそのような処置をせずに地面に垂れ流しにするような施工を行っている場合があり、このような症状が出てしまうのです。
他にも、長く使用したエコキュートであれば、ドレンホースが経年劣化で破れてしまいそこから水が漏れている…といったケースや、ホース内にホコリが詰まってうまく排水ができなくなり結露水があふれ出てしまう…なんてことがあります。こういったケースであれば、ホースの破れを修正する、雨水桝にきちんと排水するようにすれば問題は解消できるでしょう。また、寒い時期ですとドレンホースの中で結露水が凍結してホースの中をふさいでしまい、逃げ道を失った結露水があふれ出るということも考えられますので、時期によってはその辺りも確認するようにしましょう。
つまり、エコキュート自体の故障ではないのでそこまで心配する必要はありません。
症状② ヒートポンプ周辺が常に濡れている…
ヒートポンプ周辺が朝方に濡れていて、しばらく経つと乾いていくのではなく、常に濡れた状態を保っている…という場合は注意が必要です。この場合、ヒートポンプと貯湯タンクを繋ぐ配管に何らかの不具合があり水漏れしている…本体から水漏れしている…などと言った可能性があるのです。
配管からの水漏れに関してですが、この場合もいくつかの原因が考えられます。例えば、配管とエコキュートを繋げるための接手部分のネジがゆるみ、水漏れが発生してしまうことがあるのですが、この場合はネジを増し締めすることで水漏れが収まる可能性があります。他には、接手のパッキン部分が経年劣化してしまっている、配管自体が破損しているなどの可能性があり、この場合は専門業者に修理してもらう必要があるでしょう。
こういった配管の破損が原因で水漏れが発生している場合、修理するまで水漏れが止まることが無いので、水道代が高くなったり、お湯が溜まらなくなる…などの不具合が生じてしまうことになるでしょう。ヒートポンプ周辺が常に濡れている…という場合は、できるだけ早く専門業者に点検してもらうのがオススメです。
ヒートポンプ自体の故障は注意!
エコキュートの水漏れトラブルには、上記以外にもヒートポンプ自体が故障して内部から水漏れが発生してしまう…というケースがあります。ヒートポンプは、内部に銅管が使用されている部分も多く、年数の経過したエコキュートでは銅管に穴が開いてしまい内部から水が漏れてしまう…ということがあるのです。
ヒートポンプ本体が故障してしまった場合、当然専門業者に修理を依頼しなければいけないのですが、少し注意しなければいけないことがあります。それは、エコキュートの根幹部分であるヒートポンプの修理は、他の修理よりも高額になってしまうことが多く、大抵の場合10万円を超えるような修理費用になるのです。したがって、故障してしまったエコキュートが、何年使用しているのかによっては、修理ではなく買い替えの方がオススメの場合があるのです。
エコキュートは、10~15年程度が寿命と言われている住宅設備ですので、10年程度使用していればさまざまな部分が劣化している可能性が高いです。このような状況であれば、高い修理費用をかけて直したとしても、すぐに別の場所が故障してしまい、修理費用が嵩んでしまう…なんてことになりかねないということを覚えておきましょう。
まとめ
今回は、エコキュート利用中に多い、ヒートポンプ周りの水漏れトラブルについてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、一口に水漏れトラブルと言っても、その原因はさまざまで、中にはエコキュートの故障ではない場合もあるのです。
しかし、こういった水漏れトラブルに関しては「早期発見、早期対応」が非常に重要になるということは覚えておいた方が良いでしょう。例えば、ヒートポンプ内部で水漏れが発生した場合、それに気づかず放置してしまうと関係のない場所まで水に濡れてしまい、劣化を速めてしまうなど、結局痛い目を見るのは利用者になってしまうのです。したがって、エコキュートを導入した場合には、小まめに水漏れが発生していないか確認し、エコキュート周辺に水漏れと考えられるような症状が出ている場合は、すぐに販売店に点検してもらうのがオススメです。そうすることで、致命的な故障を未然に防ぐことができますので、エコキュートの寿命をのばすことにつながると思います。