実際に利用する場合、IHとガスコンロにはどんなメリットとデメリットがあるの？

新しく家を建てるときや、キッチンのリフォームを検討した際には、コンロをガスコンロにするのか、それともIHクッキングヒーターにするのか迷ってしまう…という方が多いのではないでしょうか？

オール電化住宅であれば、迷うことなくIHクッキングヒーターになるのでしょうが、ガスも併用しているご家庭では、両者にメリットとデメリットが存在していると言われているため、実際に使用する場合には「どっちが使い勝手が良いのかな？」とリフォーム自体に二の足を踏んでしまう…という方も多いと言われています。

特に、IHクッキングヒーターに関しては、昔から火力に問題があるなどという噂を耳にすることが多く、スマートで便利そうだけど「今まで通りガスコンロの方が良いのかな？」と不安になってしまう人も多いかもしれません。

そこで今回は、現在新しく家を建てようと考えている方や、キッチンのリフォームを検討している方のため、IHクッキングヒーターとガスコンロ、それぞれのメリット・デメリットをご紹介していきたいと思います。

ガスコンロのメリットとデメリットとは？

それではまず、昔から家庭のコンロとして広く普及しているガスコンロのメリット・デメリットからご紹介していきましょう。

ガスコンロは、直火による調理が可能になるため、火力が必要な料理も問題なく作れることなどがメリットと考えられています。普段ガスコンロを利用している方でも、あまりコンロのメリットなどを考えることはないかもしれませんので、ここでは代表的なメリットとデメリットをご紹介しておきます。

ガスコンロのメリット

一般的に、ガスコンロのメリットは、以下のようなことが挙げられます。

• 火力が強い
• 調理器具を選ばない
• 停電中でも調理できる

ガスコンロの最も大きなメリットと言われるポイントは、直火を使用しているため火力が強いということです。さらに、目で火力を確認することができますので、微妙な火力調整ができるという点もメリットと言えるでしょう。もちろん、IHクッキングヒーターも火力調節はできるのですが、あらかじめ用意されている目盛での調整となるため、微妙な火力調整は苦手とするのです。

他には、市販されている調理器具であればどのようなものでも加熱することができ、IHクッキングヒーターでは難しい土鍋なども問題なく使用できるのがメリットです。リフォームの場合でも、ガスコンロであれば、もともと使用していた器具をそのまま利用できるというメリットがあります。なお、災害などで停電が発生した場合、電気で稼働するIHクッキングヒーターは使えなくなるのですが、ガスコンロはガスの供給があれば、基本的に利用することが可能という点もメリットになるでしょう。

ガスコンロのデメリット

それでは、ガスコンロにはどのようなデメリットがあるのでしょうか？ガスコンロのデメリットとしてよく指摘されるのは以下のようなことです。

• 調理中に室内に熱がこもりやすい
• 火災リスクがある
• 不完全燃焼による事故の可能性がある

ガスコンロを使用している方であれば、誰もが感じたことがあると思うのですが、ガスコンロを使用して調理する場合、室内に熱がこもってしまいます。冬場などは特に気にならないかもしれませんが、夏場になると、調理するだけで汗だくになってしまう…なんて使い勝手の悪さを指摘する人は多いです。他には、直接『火』を使う設備となりますので、火災リスクや不完全燃焼やガス漏れによる中毒など、事故リスクが高い点は大きなデメリットになるでしょう。

IHクッキングヒーターのメリットとデメリットは？

次は、近年非常に人気になっているIHクッキングヒーターのメリットとデメリットを見ていきましょう。

IHクッキングヒーターのメリット

まずは、IHクッキングヒーターのメリットからです。以下のようなメリットが挙げられるでしょう。

• 火を使わないので、安全性が高い
• 調理に使用しても室温が上がりにくい
• 加熱スピードが速い
• 掃除などのメンテナンスが楽

IHクッキングヒーター最大のメリットは、『火』を使わないコンロですので、火災リスクなどが無く安全だということです。小さなお子様がいるご家庭や高齢者の一人暮らしなどであれば、「火を使わない」というだけで非常に大きなメリットになると思います。

また、火を使わずに調理するため、ガスコンロと比較すれば、室温が上がりにくい点もメリットでしょう。IHクッキングヒーターは、調理器具のみを温めるため、室内の温度が上がりにくいのです。さらに、あまりイメージが無いかもしれませんが、実はガスコンロとIHクッキングヒーターを比較した場合、IHの方が熱効率が良く加熱スピードが速いのです。お湯を沸かすときなどには、IHクッキングヒーターの方がかなり短い時間で沸かすことが可能です。

使用者の方が指摘するメリットとして意外に多いのが、天板がフラットになっているため、日々のお手入れなどが非常に楽だという点です。吹きこぼれなどがあっても、サッと拭き取れば良いだけですので、IHクッキングヒーターの方がメンテナンスの手間が少ないです。

IHクッキングヒーターのデメリット

最後は、IHクッキングヒーターのデメリットもご紹介しておきましょう。

• 微妙な火力調節ができない
• IH専用の調理器具を揃えなければいけない
• 停電になると使用できない

IHクッキングヒーターを導入する場合に注意したいのは、「IH専用」などと記載された調理器具でないと使用できないということです。今までガスコンロを使用していた方が、IHクッキングヒーターにリフォームするといった場合、もともと使用していた調理器具が全て利用できなくなり、買い替えが必要になる場合があります。つまり、リフォーム費用だけでなく、調理器具を買い揃えるのにそれなりの費用がかかると覚悟しなければいけません。

他には、電気で稼働する設備となりますので、停電が発生してしまうと全く使用することができないのが大きなデメリットです。IHクッキングヒーターを導入する場合、万一の停電を考えて、カセットコンロなどを用意しておきましょう。 調理好きの方にとっては、微妙な火力調整が難しいという点をデメリットとして挙げる方も多いです。ただし、この辺りは慣れてくるとそこまで大きな問題にはならないと思います。

まとめ

今回は、新しく家を建てる時やキッチンのリフォームを検討した際、意外と迷ってしまう人が多いIHクッキングヒーターとガスコンロについて、それぞれのメリット・デメリットをご紹介してきました。

IHクッキングヒーターとガスコンロに関しては、そもそも使用するエネルギー源が異なりますので、設備としてのメリットとデメリットもかなり違うことがわかります。一昔前までは、「IHクッキングヒーターは火力が弱い」などと言う情報が多く出回っていたため、調理の際になかなか火が通らず使い勝手が悪いのかも…と不安になってしまう人も多かったかもしれません。しかし、本来『熱効率』に関してはIHクッキングヒーターの方が良いので、調理の際に火力の点で困るようなことはないと考えても良いと思います。ただし、IHクッキングヒーターは、鍋底がヒーターに接していることで加熱をする設備となりますので、『鍋を振る』必要がある料理に関しては、少し使い勝手が変わってしまうことは理解しておきましょう。