今回は、家庭の給湯器として非常に人気の高いエコキュートとエコジョーズの違いについて簡単にご紹介したいと思います。

近年では、家庭に導入する給湯器を選択する際、いろいろな設備を見比べしなければいけません。もちろん、消費者にとって選択肢が多いことは悪いことではないのですが、それぞれの特徴やメリットを詳細まで調べるのは意外と手間がかかる作業となります。

特に最近では、給湯器の仕組みは全く異なる癖に、給湯器の名称が非常に似通っている製品が登場していることもあり、給湯器選びの際に「どれが家庭に最適なのか分からない…」と困ってしまう人も少なくないと言われています。例えば『エコキュート』と『エコジョーズ』に関しては、『エコ』という部分から環境に優しい製品とイメージできるものの、それぞれの名前から同じような製品と勘違いしている人が多いと言われています。

最初に言っておきますが、エコキュートとエコジョーズに関しては、大きさや見た目、仕組みや機能など、全てにおいて全く異なる給湯器ですので、きちんとそれぞれの違いを掴んでおかなければいけません。この記事では、それぞれの特徴をご紹介していきますので、現在給湯器選びを進めている方は是非参考にしてください。

そもそもエネルギー源が異なる!

それでは、エコキュートとエコジョーズについて、給湯器として何が異なるのかについてご紹介していきましょう。

エコキュートとエコジョーズは、非常に良く似た名前を持った給湯器で、どちらも家庭の給湯システムとして非常に高い人気を誇っています。しかし、名前は似ているものの、この二つの給湯器に関しては、『お湯を作るためのエネルギー源が異なる』という根本的な違いがあるのです。

エコキュートは電気でお湯を作る

まずは、近年家庭の給湯コストを大幅に削減できると人気になっているエコキュートからです。エコキュートは、エアコンなどにも利用されているヒートポンプ技術を採用した給湯システムなのですが、大きな特徴として『電気』を利用してお湯を作る給湯器となっています。したがって、近年増加しているオール電化住宅などであれば、基本的にエコキュートを導入することになります。

エコキュートの特徴は、ヒートポンプユニットに加えて、貯湯タンクが一体となった給湯システムになっており、一日に使用するお湯をまとめて作って貯めておくという仕様になっていることです。これにより、電力会社が用意している『深夜帯の電気代が格安になる』料金プランを契約すれば、安い電気代でお湯を作ることができるようになるため、家計にかかる給湯コストを削減できるのです。

エコジョーズはガスでお湯を作る

電気でお湯を沸かすエコキュートに対して、エコジョーズはガスでお湯を沸かす給湯システムとなります。つまり、古くからマンションなどに導入されているガス給湯器の進化版と考えていただければOKです。

従来のガス給湯器と何が違うのかというと、お湯を作るために使用するガスの量が少なく、ガス代が節約できるということが大きいです。従来のガス給湯器は、お湯を作るためのガスのうち、約20%が排ガスとして無駄にされてきました。しかし、エコジョーズは、お湯を作る時の排熱も給湯に使うように改良されたため、効率よくお湯が作れるようになったのです。

つまり、エコキュートとエコジョーズに関しては、『お湯を作るためのエネルギー』が電気とガスとなっているなど、根本的な違いがあると覚えておきましょう。オール電化を考えているのであれば、自然とエコキュートを選択することになります。

エコキュートとエコジョーズ。その他の違いは?

上述の通り、エコキュートとエコジョーズに関しては、「エネルギー源が異なる」ということが最大の違いとなります。当然、エネルギー源が異なれば、他にもさまざまな面に違いが生じますので、ここでは購入前におさえておきたい両者の違いをご紹介していきます。

給湯器としてのサイズが違う

まず両者の違いとして「給湯器のサイズが違う」ということを押さえておかなければいけません。これは、設置場所の確保を考えると非常に重要なポイントとなります。

まず、エコジョーズに関してですが、こちらの給湯器は従来のガス給湯器と同じような大きさをイメージしていただければ問題ありません。つまり、小型で壁掛け設置が可能な給湯器となりますので、導入に際してスペース的な問題はほとんどないと考えてよいでしょう。

しかし、エコキュートに関しては、ヒートポンプユニットと貯湯タンクが一体となった給湯システムとなりますので、設置のためにはそれなりに広いスペースが必要になるのです。最近では、薄型タイプやタンクをコンパクトにしたタイプも登場しており、スペース的な要件も緩和されていますが、エコキュートの導入を検討した場合、「十分な設置スペースを取れるか?」がまず問題になると考えておきましょう。

導入コストの違い

給湯器を選ぶときに最も気になるのは『導入コスト』という方が多いことでしょう。

エコキュートとエコジョーズは仕組みから異なる給湯システムですので、導入コストに違いがあります。

エコキュートの導入コストに関してですが、一般的に本体価格+設置工事費用が必要になります。本体価格は3~5人家族で導入されるタンクサイズのもので約30万円程度が相場になるでしょう。ここに設置工事費10~15万円程度必要になりますので、40~45万円程度が一般的な費用相場と考えてください。ちなみに、タンクサイズを大きくする、床暖房をつける、設置条件が特殊などと言った場合には、さらに費用がかかります。

エコジョーズに関しては、3~4人に対応する24号を選択したとして、本体価格は20~35万円程度が相場です。工事費に関してはエコキュートよりも単純ですので、約5万円程度になるでしょう。 つまり、給湯器を導入する場合の初期費用に関してはエコジョーズの方がお得になることがほとんどです。ちなみに、近年はエコキュートの人気がどんどん上がってきており、価格競争も激しくなっていますので、条件によってはそこまで大きな価格差が出ない場合もあります。

ランニングコストについて

給湯器を選択するときには、初期費用にばかり注目する方が多いのですが、10年以上使用する住宅設備と考えると、ランニングコストに関してもきちんと調べておくべきです。当然、エコキュートとエコジョーズでは、日々の生活にかかる給湯コストに違いがありますので、長く使用した場合にどっちが安くなるのか?ということは重要です。

まずエコキュートに関してですが、エコキュートは夜間の電気代が割安になる料金プランを契約すれば、年間4~6万円程度が一般的な給湯コストと言われています。一方、エコジョーズに関しては、年間6~10万円程度の給湯コストがかかると言われており、プロパンガスを使用しているご家庭ではさらに高くなると言われています。

つまり、10年間同じ給湯器を使用したと考えると、エコジョーズの方がかなりランニングコストが高くなっていまい、初期コストの差を考えてもエコキュートの方がお得になるという結果になります。 さらに、電気でお湯を沸かすエコキュートは、太陽光発電設備との相性も良く、日々の給湯コストを極限まで削減することも可能になるのです。

まとめ

今回は、近年家庭の給湯器として人気となっているエコキュートとエコジョーズの違いについてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、この二つの給湯器に関しては、非常に似通った名前が付けられているものの、仕組みなどをよく確認すると全く別物の給湯器だということがわかります。したがって、家庭の給湯器を選択する場合には、エネルギー源やサイズなどから、最適な給湯器を選択しなければいけないのです。

ちなみ、こういった給湯器を選ぶときには、初期にかかる導入費用の見積りから、安い方を選択するという選び方をする方が多いことでしょう。しかし、給湯器は10年以上にわたって利用する住宅設備だということを忘れてはいけません。ランニングコストまで含めると、使い方次第でエコキュートの方がかなりお得に利用することができるのです。 現在、家庭の導入する給湯器選びに困っている…という方がいれば、お気軽に弊社までお問い合わせください。まじめデンキでは、経験豊富なスタッフが、お客様のご要望に最適な給湯システムのご提案から行っています。