太陽光発電システムを初めて導入される方は、購入に関することだけではなく、設置後のリスクやトラブルについて不安に思っている方も少なくないと思います。
せっかく初期費用を投資して導入するのであれば、
絶対に失敗はしたくない!!と誰もが思うはずですよね。
今回は太陽光発電システムの設置を検討している方へ、購入の前に必ず知っておきたい、近隣トラブルやその事前対策などを細かく紹介していきたいと思います。

太陽光発電設置でよくある近隣トラブル事例

太陽光発電システムを導入した後に起こり得るトラブルとして、
ご近所との近隣トラブルについてのよくある事例4つをまとめてみました。

反射光トラブル

まずは反射光トラブルです。
太陽光発電システムの太陽光パネルは通常、太陽の光がよりよく当たる住宅屋根の南面に設置することがほとんどです。
そして、日本の標準の住宅であるならば、屋根の勾配は大体3寸〜6寸が一般的だと言われています。
そうなると、季節間の太陽の光の移動を考慮したとしても、光の反射が近隣の建物や住宅に被害を及ぼす可能性は極めて低くなります。
ですが、稀に「反射光が眩しい」「反射光のせいで熱い」などのクレームが起きる場合があります。
反射光トラブルが起きる原因として、

  • 屋根の勾配がかなり高い
  • パネルが東西面や北面設置の場合
  • 近隣にかなり高い建物が立っている
  • 高い位置に大きな窓などがある

上記のような条件が重なる場合などにトラブルが起きやすくなります。
太陽の光はパネルに対する入射角が深い程、反射した光は地上方向に向かいやすくなります。
その為、勾配がある住宅屋根の場合や、
南面設置ができず、無理に東西面や北面にパネルを設置をした場合には、
反射光のトラブルが起きやすくなります。
また、近隣に高さのある建物や、大きな窓がある建物がある場合には更に注意が必要です。
このようなトラブルが起きないようにする為には、
予め、設置する場所の条件を確認し、メーカーや蓄電池の代理店へ
反射光がどのような動きをするかをシミュレーションしてもらうといいでしょう。
その際は太陽は季節によって光の方向が変化する為、1年間を通したものを確認することが望ましいかと思います。
更に発電量などのシミュレーションも同時に行ってもらうとより、設置した後のギャップがより少なくなるかと思います。

騒音トラブル

太陽光発電による騒音トラブルは一見想像しにくい為、設置した後に気づく方が多いとされています。
騒音の原因はどこにあるのかですが、
実は太陽光パネルではなく、パワーコンディショナーの音なのです。
パワーコンディショナーは太陽光発電で作られた直流の電気を、
家庭内で使用できるように交流に変換する機器の為、太陽光発電システムにはなくてはならない機器とされています。
しかし、このパワーコンディショナーが稼働している時に鳴る、「モスキート音」と言われている音が騒音トラブルの原因として報告されています。
このモスキート音は音の高度が高い為、年齢を重ねるにつれて、聞き取りづらくなる為、
若い年代の10代〜30代くらいまでの方からのクレームが多いとされています。
またこの音は、日中の発電がおこなわれている時間帯(パワーコンディショナーの稼働時)に発生する音の為、
夜の比較的静かで物音が気になる時間帯には鳴らないようになっています。
ですが、近隣に音に敏感な方などがいる場合もあるので、絶対にトラブルにならないとは言い切れません。
事前対策として、パワーコンディショナーの設置場所を考えることです。
そもそも、パワーコンディショナーは屋外設置型と屋内設置型がありますので、
ご近所間でのトラブルを避ける場合は屋内設置型を選ぶと良いでしょう。
また、屋内に設置する場合でも、リビングや使用頻度の高い部屋ではなく、
廊下などの滞在時間の比較的少ない場所への設置を検討すれば、
家庭内でも音は気にならないはずです。
また、最近では騒音が少ないパワーコンディショナーの商品も、各メーカーから発売されている為、商品情報を確認して音の小さな機器を選ぶと、よりトラブルや設置後の後悔を防ぐことができます。

積雪時のトラブル

次に積雪時のトラブルです。
積雪時に多いご近所トラブルの事例としては、雪が多く積もった際の落雪によるトラブルです。
太陽光発電のパネルは、スレートや瓦などの屋根材よりも表面が滑りやすくなっている為、多く雪が降りパネル上に積もると屋根よりも簡単に滑り落ちてしまう可能性があります。
その為、太陽光発電協会も積雪時には注意喚起を促しています。
落雪が起きると、軒下にある車や、機器などが破損してしまう恐れや、
滑り落ちる落下スピードもある為、思っている以上に遠くに雪が落ちてしまう可能性があります。
そうすると、都市部などの、近隣同士の土地間隔が狭い地域では
隣の家に落雪するなどの被害が出る場合もあります。
人的被害になる可能性もあるので、落雪には注意が必要です。
その為、あまりに豪雪の地域ではメーカーの基準で設置不可になる地域もあります。
落雪トラブルにならない対策としては、積雪のある地域では屋根に「雪止め」を設置することです。
そうすると雪が溶けても一気に落下することを防ぐことができます。
その時は、雪止めが設置できるように屋根の軒部分にスペースをとって、パネルを設置するようにしましょう。
また、大雪のあとは雪下ろしをして、落下する前に早々と対処するようにしましょう。
雪下ろしの際は屋根の傾斜もある為、かなり滑りやすくなる為、専門業者などに相談するのも一つの手段です。
雪が多く降る積雪地域では、パネルと雪の重みが建物に耐えきれない場合もあるので、積雪地域にお住まいの方は地域に応じた、架台の設置方法などを用いて、適切なシステム設置を行うことが、積雪時のトラブルを防ぐ対策とされています。

電磁波トラブル

ケースとしては稀ですが、近隣から「太陽光発電の電磁波のせいで体調を崩している」などのクレームの事例も報告されています。
電磁波のせいと言われてしまうとどのように対処すべきか悩ましいところではあるかと思いますが、
電子機器などは家庭用家電も含め、少なからず少量の電磁波を放っています。
ですが、太陽光発電の電磁波は、研究機関の一般財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センターの公式発表によると、国際機関のガイドラインの基準を十分下回る数値だと判断されています。
ですので、人体に影響が出るレベルではないとされていますので、
クレームの際には、きちんと正しい知識を持って対応することが望ましい対処方法かと思います。

まとめ

今回は購入前に知っておきたい!太陽光発電システムを導入した際に起こり得る近隣トラブルと、トラブルを未然に防ぐ事前対策ををご紹介いたしました。
家の購入時などもそうですが、残念ながら太陽光発電システムも導入後、近隣トラブルは絶対無いとは言い切れません
ですが、事前に起こり得るケースを想定して、対策をとっておく事がトラブルを未然に防ぐ為の方法です。
そしてきちんと対策した上で購入さえすれば、トラブル’が起きる事も無いでしょう。
長くお付き合いをしていく、ご近所だからこそトラブルはできるだけ避けたいものです。
お互いがより良く、快適に過ごしていく為にも、より細かい知識や情報を持って、紳士に対応していく事が重要かと思います。