太陽光発電を検討していく中で、「ピークカット」「ピークシフト」「過積載」という言葉を聞くことがよくあるかと思いますが、これらは一体どういう意味なのでしょうか?
今回はこの「ピークカット」「ピークシフト」「過積載」について詳しくご紹介していきたいと思います。
わからないまま太陽光発電の設置の検討をしている方などは、今回の記事を読んで、太陽光発電の知識を深めてみてはいかがでしょうか?

ピークカットとは?

そもそもピークカットとは2種類の意味合いの言葉として存在しています。
一つ目は「節電」におけるピークカット。
二つ目は「太陽光発電」におけるピークカット。
です。
これが、ごちゃごちゃになったまま色々な意味合いで使用されている為、判断がつきにくく、「ピークカット」についてよくわからないと思う方が多くなっている原因となっています。
次で細かくみていきましょう。

節電におけるピークカット

まずは節電における上でのピークカットとは一体何か。と言う事ですが、
簡単に言ってしまうと最も電力使用量が多い時間帯の電力を削減すること。
です。
言葉の通り、ピーク(最も電力量の多い時間)をカット(削減)すると言うことです。
最も使用電力の多い時間帯の使用電力をあらゆる方法を用いて「カット(削減)」し、電力の使用量全体を低減させる取り組みのことをピークカットと言います。
電力の需要の大幅な差を均等化するための方法で、
最大需要電力が低減することによって、電気の基本料金が安くなり、節電につながりランニングコストを削減できるという大きなメリットを持っています。

太陽光発電におけるピークカット

では太陽光発電におけるピークカットとは一体何なのでしょうか?
太陽光発電における「ピークカット」とは発電量に対して言います。
太陽光発電の発電量が最もピークになる時間帯はパワーコンディショナの出力に合わせて発電量をカット(削減)することを言います。
パワーコンディショナーとは太陽光発電で発電した電力を直流から交流に変換して家庭内へ給電する変換装置ですが、出力量が予め決まっています。
ですので、電力の発電がピーク時に出力量を超える発電はピークカットによってカットされます。
発電量がカットされるので一見、損なのでは?と思ってしまう人が多いですが、そういう訳でもありません。
ピークカットされることを考慮してでも、ピーク時の発電量を高く設定しておくと、全体の発電量は底上げされる為、ピーク時以外の部分で多くの発電を可能にします。

ピークシフトとは?

次にピークシフトですが、先ほどピーク時(最も電力量の多い時間帯)をカット(削減)するのに対して、ピークシフトはピーク時(最も電力量の多い時間帯)をシフト(移動)させます。
先ほどと違うのは、先ほどは電力量の多い時間の電力をカットしたので電力を低減させているのですが、ピークシフトは電力を移動させ、平均化させるので全体の電力使用量は変わっていません。
例えば、日中の一番電力使用量の多い昼間の時間帯から、電力使用量の少ない夜間の時間帯に使う時間をシフト(移動)させて、平均を保つようにすることです。
ピークシフトの節電でわかりやすい例は蓄電池などを使用し、夜間の安価な電気を貯めておき、日中に蓄電池の電力を使用する形でのピークシフトです。
経済的かつ、再可能エネルギーの電力を使用することで環境にも良い方法です。
細かくみてみると、日常でもピークシフト機能が搭載された電子機器(日中はバッテリー内の電力を消費し、夜間や充電が少なくなった時のみ充電を開始する)を進んで使用したり、昼間の電気を節電するのもピークシフトに効果的です。

過積載とは?

次に過積載ですが、
上記でも説明した通り太陽光発電では発電量のピーク時にパワーコンディショナーの出力を超える発電量はピークカットによって削減されますが、
過積載とはこのように、パワーコンディショナーの容量よりも太陽光発電の容量が大きくなるように設置することを言います。

1日の日射量は日の出とともに多くなり、日の入りに向けて下がっていきます。
日射量の多くなる時間帯は以外にも少なく、1日で2〜3時間だと言われています。
その為、パワーコンディショナーの容量分の出力を発揮している時間はそれほど多くありません。
ですので過積載で発電量のピーク時を高く設定しておくことで、パワーコンディショナーの出力を発揮している時間も長くなり、それに伴い発電量を多く稼ぐことができます。
ちなみに過積載は曇りの日などの日射量の低い日など、発電量が下がる場合に対しても有効であるとされています。
過積載をすることで、全体の発電量は底上げされる為に、曇りの日などの少ない発電量の日をカバーする役割も果たしてくれます。
その為、過積載していない場合に比べても、大幅に発電量が増加し自家消費しない電力は売電できますので、年間を通して売電収益が上がるのが過積載の最大のメリットです。

過積載における注意点

過積載にすると発電量が大幅に稼げる為、かなりお得になることはわかりましたが、過積載には注意点もあります。
まず、過積載するということは、パワーコンディショナーの容量以上の太陽光パネルを導入するということになります。
なので、その分太陽光パネルの購入にかかる初期投資が多くなるということです。
なので、安易に過積載すれば良いという問題ではなく、太陽光パネルのメーカーや商品を吟味し、価格と出力量などをチェックしてから導入することをおすすめします。
最近では太陽光パネルも様々なメーカーから発売されており各種、価格や特徴が様々ですので色々なメーカーを比べてみると良いと思います。その上でバランスをみて過積載をすると初期費用も回収でき、収入増加につながります。

更に、通常パワーコンディショナーには10年前後のメーカー保証がついているのが一般的ですが、
過積載にすると、パワーコンディショナーの保証が効かない場合があるというのも注意しておかなければいけない点です。
例えば、「過積載率が160%以上になると保証の対象外になる」など、細かく指定されている場合があります。
条件はメーカーによって様々かと思いますので、まずは保証内容をきちんと確認した上で過積載できる量などを調べてから導入するのが良いでしょう。

まとめ

今回は太陽光発電でよく耳にする「ピークカット」「ピークシフト」「過積載」について簡単に説明しました。
節電の意味合いで用いられることもありますが、太陽光発電においても頻繁に活用される言葉です。
現在太陽光発電の設置を検討し、悩まれている方などは、太陽光発電についてしっかりと意味を理解し、幅広い知識を持って検討・導入されると、
「太陽光発電の導入で失敗してしまった」などのリスクを回避することができます。
またわからない点や、理解できないことがある場合には、まじめデンキまでお気軽にご相談ください。
専門のスタッフが丁寧にご説明し、お客様にあった商品をご提案させていただきます。